2011年1月27日木曜日

ソフトウェア品質の対概念

プロがで自分の職能分野の事柄を wikipedia で調べる事となると、何となく気恥ずかしさを感じないでもないが、たまに良い事が書いてあってちょっと嬉しい時がある。

ソフトウェア品質Software_quality)」で調べると、ちゃんと「ソフトウェア製品品質Software_product_quality)」と「ソースコード品質(Source_code_quality)」に分けて書いてあった。

ソフトウェアに関しては、一般的な意味での品質ーーーつまり「日本の精密機械の品質は・・・」なんて言うときの「品質」とは別の、もう一つの品質があるという事が、実はわりと普通の考え方なのだという証言が一つ得られた事になり、少しほっとした。更に少し調べると、ISO/IEC 9126-1:2001でも「内部品質」という形で定義されているらしい。不勉強だった。

とは言っても、この二つの品質が互いに異なる別物だという考え方は、まだソフトウェア開発業界で常識となるには至っていないように見える。

開発中の製品の品質について会議なんかで議論すると、こっちが後者の意味で話しているのに、しかも、どういう意味での「品質」か、ちゃんと前置きしてから語っているはずなのに、いつの間にか前者の話に流れて行ったりする。終いには「”品質”の話をしてるんだから、コードとか関係なくね?」みたいに返してくるから、こっちも「だ~か~ら~」みたいになってくる。

大雑把に言うと、製品品質は売上に関わり、ソースコード品質は費用に関わる。つまり、製品品質は使う側の生産性を左右し、ソースコード品質は作る側の生産性を左右する。あるいは、製品品質の問題は消費者側で顕在化し、ソースコード品質の問題は生産者側で顕在化するとも言える。

ある意味正反対の概念が、「品質向上」などと言ったスローガンの下で一緒くたに扱われるから、品質管理会議が何だか噛み合わない。いっそ別の言葉でもあれば良いんだけど、日本語でも英語でも適切な言葉が見当たらない。

「今話している「品質」はソースコード品質の意味での「品質」なわけで、つまり(略)」みたいな面倒くさい断りを入れずに済む状況は、当分なくなりそうにない。

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